北前船と小樽・後志 シンポジウム2017/03/04 20:14

 小樽商大グローカル戦略推進センター主催北海道北前船調査会共催で開かれた「北前船と小樽・後志〜歴史的価値と観光資源かを考える〜」と題したシンポジウムを拝聴させていただきました。

 今回は高野先生の企画だそうです。本当に精力的に動かれています

 以前開催された「北前船トーク」では土屋周三元小樽市総合博物館館長と高野宏康小樽商大グローカル戦略推進センター学術研究員のトークが大変おもしろかったものの時間が全然足りなくて不完全燃焼でしたので、今回はその続きを聴くことができて大満足でした。もっとも土屋先生はもっともっとお話しすることがありそうでしたが。
    土屋先生のお話。あふれる知識と熱意。

 北前船については以前も書きましたが、北海道的には江戸中期から明治までの日常生活の必需品の殆どを支えた重要な役割を果たしていた輸送手段であったとのことです。先生方のお話では、これまでの研究では本州視点で語られることが多く、改めて小樽後志から見たその役割の重要性を強調されていたようです。
 続いて、小樽にも支店がある北陸銀行と北前船、小樽との関わりについて、分厚い社史をご持参されて熱く語られた志摩洋一北陸銀行取締役のお話でした。

 森本さん。ヒストリーツアーという旅行コンテンツを展開する社長さんです。

そうした北前船を文化資源として捉えると観光資源としても活用できるのではと考え、実際に事業に生かしている例として北前船をモチーフとした小樽ブランドUNGA↑(うんがプラス)を立ち上げ様々な商品開発販売を展開する白鳥陽子さんや北前船や北海道の歴史文化を題材にツアー(ヒストリーツアー)を企画する旅行会社スリーエス代表取締役森本恵美さんのお話を伺いました。何れもオリジナリティーあふれ、小樽の文化歴史資産を活用という視点で非常に先進的な例として貴重な発表だったと思います。


 最後に提言者全員によるパネルディスカッションです。大津晶先生の司会により様々なお話がありました。
その中で、印象に残ったのは
・文化財というのは昔は保存が命だった。「触るな!離れて見てろ!」しかし今はいかにそれを活用するかになった。
・歴史文化は今まで50代以上の男性しか関心がなかった。しかしターゲットをあえて30台女性に設定。歴史的要素を「かわいい+α」にデザイン化していく。
・地域の独自性をウリにしていくためには地域の良さに気づく必要があるが地元の人はなかなか気づかない。客観的に観る目を持つのはは他所の人。地元の人その見つけたものを認める寛容性が大切。
・地方では昔のことを知る人、保存しているものがどんどん失われている。その前に発掘していく活動が急務である。
 等々のお話がありました。日本遺産認定をめざす小樽市として、大変示唆に富む話題が満載でした。

 寿都神社の絵馬が展示されていました。歴史文化資産として光を当てたのはとかの先生の功績ですね。

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