小樽市議会2017年第1回定例会を振り返って2017/03/27 13:46

 小樽市議会2017年第1回定例回が22日に閉会となりました。すこし遅くなりましたが、振り返ってまとめてみました。また、今後の議会や市政の見通し、課題もちょっとだけ。


1.市長の反省の弁により開会

 昨年第4回定例会が森井市長の不用意な発言により紛糾、結果としてほとんど議論がなされないまま、自然閉会となったことをうけて、今議会も開会できるのか不透明な状況でしたが、結果としては、市長から自身の答弁について「結果として誤解を与えた。大変ご迷惑をかけた。今後発言には、より慎重にする。」との実質的謝罪があったことや、今議会には市民生活に直結する新年度予算審議・議決という重要な案件もあることから議会側も議事を進めることを重視したことにより、5日間の延長はあったものの、全日程を終了しました。

 

2.2017年度一般会計予算案ほか60議案を原案通り可決。

 市長提案のほとんどの議案を予算特別委員会等での審議の上、可決しました。具体的には

・津波等の災害に備える防災行政無線の設置に向けた調査費をつける。

・新しい津波ハザードマップの作成。

・小中学校の机いすを3カ年計画で更新する。

などが私的にはポイントと思っています。

 なお、第7次小樽市総合計画(2019年度以降10年間の政策の基本となる最上位計画です。)の策定手続きなどを定める条例案については、大切なものにもかかわらず、まだ議論が不足との理由で継続審査としました。


JR朝里駅を上から。ここに防災無線を設置することで多くの住民に危険を知らせる。

  堺町一帯も浸水域 に。外国人観光客向けの避難誘導看板なども設置されましたが、どこにあるか発見できない!



3.市長に対し決議案可決

 市長に対しては「森井秀明市長に対し正確な議会答弁と適正な市政運営を求める決議案」を賛成多数で可決し、議会としての意志を示しました。


 決議の中で、指摘しているのは、

・高島漁港区には観光施設は建てられないことを条例等で定めているにもかかわらず市が観光船発着施設建設を許可した問題で、市長、市職員が不正確で曖昧な答弁を繰り返したこと。

・市長自らが市道の排雪現場に赴いて業者に作業内容を確認したことが、結果としてその作業を中止を招き、作業現場を混乱させたこと。(市長が直接現場作業員に指示をすることは法律上許されない。)

 等です。よって、市長には、より正確な答弁と、適正な市政運営の確立を求める内容となりました。


 私たち民進党としては、この決議案に賛成の立場で私が討論に立ちました。内容としては、

排雪作業に市長が直接関わった行動は不適切かつ、不適正であったことを指摘した上で『今議会では不正確、あいまい、かみ合わない、いたずらに長い答弁が目立ちましたし、その傾向が議会ごとに強くなるように感じます。私たち議員側の質問の質の向上ももちろんですが、市長にも、正確かつ適切、簡潔で的を射た答弁を求めるものです。

 また、自己弁護のために周りにいる市役所職員だけでなく、一民間事業者にまで責任転嫁することは許されません。市政の適正な運営はひとえにそのトップに立つ森井秀明市長の良心とそれに基づく公正な判断に依って立つものであると確信しています。どうかこの決議を真摯に受け止めていただくことを強く求めます。』というものでした。


 ひとまず、今議会はこれをもって閉会しました。しかし、予算案が通ったから一安心ということにはなりません。

 

4.前途多難!森井市政

 先にも書いたように市が高島漁港区で観光船の係留施設や飲食・物販施設等の設置を許可したことが、港湾法や条例に違反すると指摘する公益通報を受け、市のコンプライアンス委員会(山口均委員長)が調査を始めています。もし違反しているとなれば、市長の責任は重大です。


また、同じコンプラ委員会が違法の疑いがあると指摘した問題でもある、森井市長が市長就任直後の20156月に行った管理職の昇任人事について、地方公務員法違反に当たるとして、山田勝麿元小樽市長ら市民数名が、森井市長を同法違反容疑で札幌地検に告発し、告発状が昨年末に受理され捜査が始まっています。通常、地検は立件ができない事案の受理は行わないそうです。


これらの問題で結論が示されたときに、市長はもちろん市民のみなさんがどういった判断を示されるのでしょう。今後の小樽市の進路に大きな影響を及ぼします。私たち市議会議員はもちろん責任を持って対応していきます。どうか、みなさんも関心を持ってご注視いただくようお願いします。