再生可能エネルギーの活用を学ぶ2016/02/21 20:35

 紀伊国屋書店札幌本店1階インナーガーデンで開かれた、第87回サイエンスカフェ札幌に行ってきました。「未来は自分で変えられる」と題し、ニセコ町の再生可能エネルギーを活用したまちづくりについて、ニセコ町職員の大野百恵さんが、ドイツのエネルギー事情について北大の先生酒井恭輔さんが、お話してくれました。
     ニセコ町大野さん 先進的なのは観光だけじゃなかった。
 
ニセコ町は皆さんご存知のように、近年外国人観光客が増加し、一躍話題のまちになっていますが、本来農業のまち。その基盤は豊かな自然環境にあるとして、その自然環境を失わないために様々な取り組みを始めています。北海道産業遺産にも登録されている3か所の水力発電所で発電した電力を地域で販売する仕組みづくりや温泉で有名なこの地域は他地域よりも地中の温度が高いことに着目し、地中熱ヒートポンプによる冷暖房設備を農業ハウスや公共の建物に導入したりしているそうです。
 
  北大の酒井さん ドイツは合理的に無駄を省いて効率化しているそう

一方、ドイツでは脱原発宣言をして、国家単位で再生可能エネルギーによる自立に取り組み、 北方では風力発電を、南方では家畜のメタンガス発電などを住民が自分たちでお金を出して設置し、売電分を地元に還元する仕組みを作ってるそうです。それによって酪農の経営も安定するメリットもあるとのこと。
 両方のお話で印象的だったのは、家庭でのエネルギー使用は70%が発熱であることから、各家の冬期間の断熱性能はとても大事なことや、エネルギーの地産地消は市民レベルの活動が基本になるということでした。
 まずは市民が動くのが基本になっているので、再生可能エネルギーについての理解を得る活動から始まる、という提案は私たちの街でも進めていかなければ、という思いました。
 小樽でも観光が基本産業といいつつ、3.11後の観光客が運河から消えたあの光景を教訓に、泊原発が再稼働し、大事故でなくても、ごく微量の放射能漏れ事故でも、風評被害で観光客は激減する大打撃をこうむることを念頭に様々なエネルギー政策を進めていくべきと改めて考えました。