市議会空転続く ― 2016/03/02 20:55
市議会の空転続く
市議会第1回定例会は2月29日から代表質問に入りました。
これまで森井市長と議会の関係は対立する点(除排雪問題をはじめ、ドリームビーチ、参与の任用など)がクローズアップされ、市民のみなさんにはご心配をおかけしてきました。しかし、市長はかねてからの懸案であった副市長人事について上林猛前教育長を充てる案を提案し、私たちもこの人事が市長からの「議会との関係改善をめざすメッセージ」と受けとり、これに賛成しました。
その副市長効果が発揮されることを期待しての今議会。ところが代表質問の最初からストップしてしまいました。
1.ストップした経緯
その発端は一月発行の「森井ひであき後援会通信」に書かれた内容にあります。明らかに事実と違う内容、根拠が示されずに議会やマスコミを誹謗している点などが含まれています。自民、公明、民主、新風小樽は連名で後援会代表者である森井市長に質問書を出し回答を求めようとしましたが、受け取りを拒否されました。質問書という方法をとったのは、本議会中に扱えば、大事な議論の時間をそれにとられることを心配したからです。結果、致し方なく、今議会で取り上げたのが実情です。
しかし、本会議において自民党鈴木議員の代表質問中、その記載内容について質問した際、「後援会の事は議会にそぐわない」として、答弁を拒否しました。それに対し議長は答弁を拒める場合の具体例(他人のプライバシー、誹謗中傷に関わることなど)をあげ、今回はそれにあたらないので答弁するように促しましたが、市長は拒否。これにより審議はストップしたのです。
2.市長の主張
3月1日付で市長から議会へ出された「申し入れ書」によると、「後援会の発行物のことで、議会の貴重な時間を費やすべきでない。市民生活に関わる正当な議論にはいるべき。」「議会は答えていないと言うが私は答えている。」「議会を中断するのも、再開するのも議会に権限がある。早く正常化に向けて配慮を。」と述べています。
市長からの申入書。なぜ市長が代表で発行した通信について議論することが、議会の正当な議論ではないのか、説明はありません。
3.議会の思い
森井ひであき後援会の代表は森井氏本人になっています。その通信の内容について代表に責任がないとは言えないはずです。また、市長はマスコミには通信を「読んだ。大変心強い。」と答える一方、議会では「読んでいない。答えない。」と矛盾する答弁をしています。さらに市長からの申し入れの内容は実質「市長にとって都合の悪い、答えにくい質問はするな。」「質問しても答えないぞ。質問に答える答えないは市長が決める事」「議会を止めているのは議員に全責任がある。」ということになります。
市長の主張は、突き詰めると、「議会は市長の提案はNO文句で認めろ。」ということになります。これを認めることは、議会制民主主義、2元代表制、地方自治の本旨から逸脱してしまいます。
議会としては「市長と議会は市政の両輪」という言葉の意味をどうしても議会の最初の段階で、市長に思い出してもらわなければ、どんな議論も深まらず、結果として市長独裁となり、市民にとってもきわめて都合の悪いことになると考えての議会ストップなのです。
私たちも、当然、来年度予算案等、重要な案件の審議をやらなければならないと焦りもあります。しかし、市長からは自分の提案した重要な議案を通さなければ、という自覚は伝わってきません。それどころか「自分にとって都合の悪い質問はするな。」「自分はもう議会に譲歩しない。」とのメッセージを示し、ストップした全責任は議会にあると決めつけています。
議会としてはそれを受け入れるのは、議会として行政のチェック機能という大事な役割が果たせなくなることを意味します。それが議長の「議会の自殺行為に等しい。」という厳しい言葉に表れているのです。
4.空転の責任はどちらに
意見の違う一つの案件を議会と市長が、お互いにより良いと思う意見を出し合い、譲歩し合いながら、結果として、市民にとって有益な政策を作っていくのが、両者の仕事のあり様、責任の果たし方ではないでしょうか?だからこそそこで決めた施策に両者が責任を持てることになるのだと思います。市民のみなさんもそうやってひとつの仕事を集団内で折り合いをつけながら日々進めているはずです。そんな大人社会の普通のやり方を、市長も私たち議会も粘り強く続けていくべきです。「黙って市民の絶大な支持を受ける私の言うことを聞け。市長という権力を持つ私の言う通りにしろ。」では、独裁者になってしまいます。
私たち民主党は、森井市長の市政運営については是々非々で対応してきていますが、今回の市長の議会への姿勢は今までも見えていた残念な部分が大きく表れてしまっています。とても認められないものです。
結果として、空転が長引きご心配をおかけしています。私たちにもそのことに責任があります。よって、空転中も必死に解決に向け、努力しているところです。どうか、もう少し見守っていただければと思います。
市議会休会続く ― 2016/03/05 10:33
原発のコスト安いの? ― 2016/03/07 12:46
福島第1原発事故から5年を迎えるのを前に、市民団体「泊原発の廃炉をめざす会」が立命館大の大島堅一教授を招いて講演会を開きました。
大島先生は経済学の立場から「原発のコスト」についてこれまで、様々なご提言や著書を出されている方です。私もその本で勉強していましたので、これは是非とも直接お話を伺いたいと楽しみにしていました。同じ思いで集まった聴衆が200人以上いました。
前段のクロストークとして、岩内町議の佐藤英行氏から泊町長選の報告や、弁護士の難波徹基氏から電力自由化を機にエネルギー消費について無駄を省くことが先。自治体でもそのための実証実験を始めている、等のお話がありました。
大島先生からは川内原発を皮切りに再稼働が進んでいる現状となぜ再稼働させるのか。その理由が正しいのか。根拠はあるのか。というお話です。
原発再稼働の理由は
・原発のコストが他の発電より安いから
・再稼働させないと経済がダメになる。
・化石燃料輸入量増で経済がダメになる。
・貿易赤字増で経済がダメになる。
・電気料金値上りで経済がダメになる。
・温室効果ガス増で環境がダメになる。
などがあげられていますが、一つずつ理由と根拠を上げて論破していきます。
その中でも特に「原発のコストは安い」について、ホントウなのか。という点について
大島先生は、「原発安価神話」は作られたもの。確かに燃料費は安いが、建設費は一番高い。さらにコストの中に福島事故解決のための費用、13.3兆円が入っていないこと、それを計算に入れるとコストは一気に跳ね上がることを指摘されています。日本の国税収入は約40兆円、その3分の1にあたる額がコスト計算に入れないで安いというのは変な話です。
さらに、ほかにも安い理由は、使用済み核燃料処処分理費用なども電力会社や国が払うのではなく、電気料金に含まれて最終的に国民がすべて払う仕組みになっている。要するに原発費用を国民がすべて払っているから安い、ということなのです。
最後のお話は電気料金の話。
原発維持費は止まっていてもかかり続けています。
将来の子どもたち子孫にツケを押し付けない未来像から判断していくべきですね。
本当に考えさせられることの多い内容でした。電力の自由化もただ安ければよい、というのではなく、こうしたお話を下敷きに考えていくべき、と実感しました。
市議会情報 解決の糸口は ― 2016/03/07 13:08
市議会開会中 ― 2016/03/11 22:03
市議会開会中
2月29日から休会していた市議会は3月7日にようやく再開しました。各会派の代表質問、一般質問、そして現在は予算特別委員会を日程を2日間短縮して開いています。
この間、結局、森井市長が,自身が代表を務める「森井ひであき後援会」の後援会通信の内容を定例記者会見では「読んだ。」、議会では「読んでない。」と正反対の発言をしたことについて、「記者会見時に「自分の中で何らかの錯誤(誤り)があった」ので、会見内容を訂正したい。」と述べるに至りました。
私が聞いている限り、真実は「読んでいた」方であり、自分にとって都合の良い方を選んだ、という印象です。
このように、後援会通信内容の議会や、市民、マスコミに対する誹謗中傷も問題ですが、市長が議会やマスコミ、ひいては市民に対して誠実に真実を公表しない、隠そうとする姿勢こそが大問題だと思います。
市長はかねがね市政のオープン化について言及していますが、今回の対応はそれとは矛盾した状態ですし、それは今回にとどまらず、これまでも度々の議会答弁の訂正などに表れています。市民に対して正直に真摯に向き合うことを改めて求めたいと思います。
また、以前このブログでも示したように、議会が止まっていた際に市長から議会へ出された「申入書」にあった「議会を止めているのは議会側に全責任がある。」という主旨の文言についても、議会ストップは、「自身の錯誤」が原因であったことを認めたことにより、市長側の責任だったことが判明したのですから、きちんと「申入書」を撤回し、何らかの責任を取るべきと考えています。
今後、議会は予算特別委員会、各常任委員会、学校適正配置等調査特別委員会、本会議と進み、22日閉会の予定です。本来、新年度予算他重要案件を抱えていますので、きちんとした政策論議をしなければならないというのが大前提です。
しかし、市長がその議論の中でまた、一度言ったことを後でコロコロ変える、事実と違うことを言う、信用できないということになれば、その議論を進めることはできなくなってしまいます。たとえ、意見主張は違っても、根っこにお互いに信頼関係があるからこそ、議論が成り立つのです。
難しい議会運営が続きますが、市長と議会、お互いにそこのところを大事に進めていきたいです。
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