市立美術館 武石英孝展2018/03/09 21:05

 明日10日から市立小樽美術館で「命の脈動 武石英孝展」が開催されます。2006年から美術館が企画している「小樽・美術家の現在シリーズ」の一環で昨年の「坂東宏哉展」「末永正子展」に引き続きの展覧会となります。
       パンフレットの表です。独特の雰囲気が伝わりますか。

 武石英孝氏は現在、道展会員で日展にも何度か入選をしている、北海道画壇を代表する具象作家です。もちろん小樽美術館が取り上げている通り、小樽出身で、桜陽高校美術部で活躍ののち、北海道教育大学札幌分校特設美術科に進学。なんとその同級生に私がいるのです!
 大学4年間、常にともに学び、遊んだ仲間が数人いますが、それぞれが別々の進路を歩んでいますが、彼は高校教員として働きながらひたすら絵画制作の道を究めてきています。着実に意思を持って進む彼の姿勢は大学時代から一貫しています。
 パンフの解説にもありますが、当時の彼の友達思いの優しさ、明るさは、絵に描かれた対象に注がれるまなざしにもつながっているのでしょう。

   パンフの裏   解説の中の彼の大学時代と重なります。 

 また、大学時代の彼からいつも感じていたのは「小樽」という町でした。坂東先輩もそうでしたが小樽出身の美術科学生は明らかな独自の雰囲気がありました。当時の私はそれをひそかにうらやましく思っていたものです。それは今思うと、きっと連綿と続くこの町の文化・歴史、そして人のつながりなのでしょうね。もちろん武石君本人のたゆまざる努力は大前提ですが、「小樽」というバックグラウンドが彼の絵画を支えているのは間違いないと思います。
 その「小樽」で今は私が暮らしているというのも何かの因縁かなあと思うところです。

 
 ぜひ、みなさん一度観に来てくださいね。その静謐で深い情感の世界に浸ってください。
 また、この「小樽・美術家の現在シリーズ」の良さは作家の人生とともに個人の技量や感性の研ぎ澄まされ方の進化、さらに、その中に美術の歴史のようなものさえ包含される面白さがあります。そんなところも楽しみの一つ。子どもたちにも観てほしいです。人だけでなく彼の描く動物たちもいいですよ。