小樽市学校施設長寿命化計画(案)について2021/01/08 10:50

寒い日が続いています。また、今朝の久々の雪かきは中々体に応えました。吹き溜まりが大変でしたね。

さて、前回の議会の報告を続けたいと思います。どうしても長い文章になってしまい申し訳ありません。

市役所から市民会館を望む。雪の坂道気をつけてくださいね。


市内の公共施設とは別に小中学校の老朽化対策が耐震化も含めて急がれます。

現状、学校の定期的な大規模改造や長寿命化の改修を行った場合、実施時期が一定の期間に集中することになり、市の財政を圧迫します。そのために施設整備費の平準化とともに施設整備方針等を示し、計画的に整備することで中長期的な維持管理に係るトータルコストの削減を図るということが目的の計画です。

そこで昨年の小樽市議会第4回定例会総務常任委員会ではこの計画と他の計画との関係や費用の問題、バリアフリー化や避難所機能整備との関係、などについて質しました。

 

1-2 計画の位置づけについて

質問「小樽市立小中学校 学校規模・学校配置適正化基本計画」見直し中、進んだ場合はこの計画も修正の必要性検討とのこと。新適配計画は本計画にどのような影響を与える可能性があるのか。

答弁現在の対象施設は小中学校合わせて29校で計画しています。学校の適正な配置については新たな考え方がまとまり、計画の見直しが進んだ場合には整合性を図るために見直しを行うという意味では影響があると考えています。

 

質問例えば、旧適配計画で統廃合対象校(忍路中央小、塩谷小、桂岡小)が今後10年間の工事実施画の令和5年までに入っている。新適配計画が実施されるまではこれらの小学校の工事は予定通り進めるということでいいですか。教育環境、安全性確保のために必要なこと。

答弁委員のおっしゃる通り耐震性のない学校の耐震改修を予定通り実施する計画になっています。

 

質問影響大きいが新適配計画策定はいつになる予定なのか。

答弁適正化基本計画の見直しにつきましてはあらためて将来を見据えた学校再編の基本的な考え方について検討を進めることにしております

検討にあたっては将来を見据えた本市のまちづくりの考え方を考慮することとしており市長部局とも協議を行っていく必要があることから現状ではいつまでに策定するかということは示せない。

 

1-3計画期間について 

質問令和3年度から令和12年度の10年間としているが、3-6今後の維持・更新コストの中では今後40年間の試算で語られている。この計画は本来中長期の計画でそのうちの最初の10年計画という位置づけなのか。

答弁委員のおっしゃる通りそのような考え方となります。

 

3-3学校施設の老朽化状況について

質問3-5,6学校施設の老朽化状況で耐震補強工事済の学校でも(朝里中、銭函中、朝里小旧校舎)では内部仕上電気設備等にCがついている。工事の際に解消できなかったのか。それほど本体が老朽化進んでいるのか。

答弁建物内部の設備改修についてはコスト面ということもあるが未耐震である学校の耐震工事の実施を最優先とした結果です。

 

3-6今後の維持・更新コストについて 

質問一番財政負担が少ない小樽市独自試算(パターン2)で40年間総額624.8億円のうち本市独自財源分はいくらぐらいになるか。

答弁本計画においては長寿命化改修や大規模改造に係る事業費が6204.8億円となっていますが、一般財源特別財源という区分での試算はできていません。

 

質問パターン2は今後10年間平均12.7億円。過去5年間の学校施設関連経費である12.1億円とほぼ同等の財政負担とある。しかし、40年目からは20.8億円。ただ負担を先送りしているだけではないのか。小樽市財政への長期的影響は。

答弁従来型の試算では10年の平均額がそれぞれ31億円と24億円。一方、今回の計画では長寿命化改修とすることにより改築までの使用年数を延長して使用することを想定しています。これにより想定される維持更新費用について今後40年間の平均額総額も縮減効果があると見込み、市の財政的なトータルコストの削減と予算の平準化を図られているのではないか。

 

4-4学校施設整備の水準について

質問設備機器として、コロナ対応機器設備設置について追加等は考えないか。各普通教室への換気扇設置や手洗い場の温水供給設備等は

答弁教育委員会としては小学校や中学校の施設整備指針に定められていないことから現在記載していません。設置費用やランニングコストの面もあり、また新型コロナウイルス感染症が今後も終息されていないということであれば5年後の見直しの中でも判断して参りたい。

 

バリアフリー化について「今年5月にバリアフリー法が改正され、公立小中のバリアフリー化を義務付けている。それに伴う文部科学省全国の公立小中学校におけるバリアフリー化の調査結果(速報値)では、2階以上の校舎のエレベーター設置率は26・2%、校舎の多機能トイレは65・0%で整備。校門から校舎までの段差を解消するスロープは78・3%、校舎玄関から教室までのスロープは57・2%だったそうです。

質問本市でのそれらの設置率はどうなっていますか。

答弁調査結果に調査につきましては市教委から道教委に9月に回答していて学校施設のバリアフリー設備の設置状況について2階以上の校舎エレベーターの設置率3.4%。スロープ等の整備状況外部については17.2%、スロープ等内部17.2%、多機能トイレの整備状況10.3%と回答しています。

 

質問この長寿命化計画に学校を使用する避難所機能整備は載らないのか。載らないとしたらどこで共有していくのか。

答弁計画書の目指すべき姿の中に地域拠点として多様な活用が可能な学校施設を目指すということを示していますし、計画では小樽市地域防災計画においては学校が避難所と指定されています。その中で屋内体育館の機能としては暖房設備改修やトイレ改修についてはその他経費として見込んでいます。

質問バリアフリー化のこういった設置率向上を市としても目指していくということで良いですか。

答弁法律で義務化されていますし、また義務化されなくても改修についてはスロープ等のバリアフリー等の改修に向けてその都度やっていきたい。

 

 

質問施設の劣化が進む上に寿命を延長するとなると心配なのはいまだに一部の校舎に残るアスベストのこと。囲い込み工事で済ませているため、囲い込みのビニール資材等の劣化が進む。仕上げ材の更新はされるが目につかない内部で進行するため、一般には目視で確認はしづらい。この計画の中で、除去工事を位置づけて行うべき。どうか。 

答弁アスベストの問題については大変重要な問題と考えています。平成17年度に囲い込みによるアスベストの対策工事を行っています。維持管理としては北海道の指導指針により除去を行うまでの間は利用頻度が多い特に小中学校は3ヶ月に1回定期的に点検を実施しています。

要望現状だと最悪の場合、地震等で天井が破れアスベストを覆っているビニール等が破れて生徒に降りかかるというようなことさえ心配されます。やはり根本的にやはりそういうものはなくするということを目指していただきたいということを強くお願いします。

 

質問最後に学校施設については劣化を抑え、寿命を延長するだけでは不十分。より良い子どもたちの教育環境整備、維持、向上が大切。学校内外の環境イメージは子どもの学ぶ意欲に大きな影響を与える。暗い汚い臭い学校に戻してはいけない。単なる箱の維持ではない計画にしてくれるようお願いします。何か見解があれば伺います。

答弁この計画では学校施設を長く維持するために、日常点検や定期点検など劣化状況を定期的に把握し、安全性確保等の維持管理に努め、その結果、安全安心であるとか社会の変化に適応した教育活動ができる、快適に学び生活できる地域の拠点となる学校施の整備を目指していきたい。

 

  

総評学校施設長寿命化計画の「長寿命化」とは、これらの学校施設を新しく建て替えたりせず、今ある建物を直しながら長く使うということです。ですから立て直すよりお金はかけなくて済みますが、直し方が悪いと子どもたちや教職員の学びの環境が悪化してしまいます。

 また、バリアフリーへの対応も全国平均に比べ、著しく遅れていることがわかりました。今後速やかな対応が急がれます。アスベストの問題も私が議員になってからずっと取り組んでいることですがなかなか改善されません。ことが起こってからでは遅いのです。

 学校施設については以上のように積年の課題とともに今回のコロナ禍で改めて教育環境について考える機会となったことも事実です。小学校の35人学級が実現したのもその影響です。

 これからも機会あるごとに議会から教育環境の改善に働きかけをしていきます。