雪像制作断念と町会看板 ― 2021/02/07 21:08
小樽市2021年度予算案発表 ― 2021/02/20 15:00
小樽市の新年度予算案が市より示されました。コロナ禍の中での迫市長による市政運営の方向性が示されたことになります。私たち市議会議員は来週24日から始まる2021年第1回市議会定例会の中でコロナ対策やその他条例案に加え、この予算案を審議していくことになります。市民の皆さんからぜひご意見をいただきたいので、この予算案の私なりに捉えたおおよその内容を説明します。ご覧ください。
① 予算の規模、総額について
1 .一般会計 562.4億円 (前年度当初予算比 ▲18.9億円 )
保健、福祉、教育、消防、都市基盤の整備など行政運営の基本的な経費
2 .特別会計 320.4億円 (前年度当初予算比 ▲1.2億円 )
国民保険、介護保険、後期高齢者医療、港湾関係など
3 .企業会計 258.3億円 (前年度当初予算比 ▲2.7億円 )
水道事業会計、下水道事業会計、病院事業会計など
合わせて
全会計1,141.1億円 (前年度当初予算比 ▲22.8億円 )
全体として前年度比マイナスの緊縮型予算になっています。コロナの影響等や人口減で税収が減る予想のもとですし、市債等の借金を増やすのは将来へ負担を先送りするだけですから、理解できるところです。問題はその少ない予算をどのように使って迫市政の特徴を出していくかですね。
② 新年度予算のポイントは
(1)規模縮小緊縮予算ですが…
歳入の中で税収が減る目処の中の編成ですから、どうしても特筆ポイントがなかなか見当たりませんが、迫市長が新年度予算に掲げる~新たな時代の変化に備え、近未来を見据えたまちづくり~をテーマに掲げた中で全体として質実剛健な予算案ではないかと思います。ただ、市役所に新設される「子ども未来部」に目玉事業が欲しかったですね。
(2)続く財源不足
歳入・歳出について特筆すべきことはその差額がマイナスになっていることです。入ってくるお金より出ていくお金の方が多い状態、財源不足となっているということ。その不足額は 9.8億円!厳しい小樽市財政が現れています。前年度財源不足額 は15.5億円でしたから少しは改善したことになりますが。
結果、市のへそくりである財政調整基金などから9.8億円を取り崩し、収支均衡予算(プラスマイナス0)としています。
(3)財政調整基金の確保。(不測の財政需要に対応するための 市のヘソクリ)
今回のコロナ禍や自然災害対応にすぐに対応するための基金です。前年同時期 1.17億しかなく心配しましたが、予算編成後コロナ対応後も含めて残高9.77億円を確保できるとのことで 少し安心です。
(4)コロナ対策は国からの第3次臨時交付金その他で9.6億円
ワクチン接種関係は2/5に専決処分ですでに動き始めています。
その他に対応は新規22事業、拡充7事業などを今年度補正予算と新年度予算にまたがって実施していきます。
(5)具体的事業 私見でポイントになる事業を挙げてみます。
○生活バス路線運行費補助金
コロナ禍もあってさらに赤字が大きくなった中央バス株式会社に市として初めて補助金を入れバス路線維持をお願いすることになります。

市の公共交通機関としての役割は重要です。
○北海製罐第3倉庫保全活用に向けた補助
解体の危機にある北海製罐第3倉庫についてその保全・活用策を検討するために民間有志が立ち上げた「北海製罐第3倉庫活用ミーティング」補助金を計上しています。建物の耐久性等を調査する資金などを市がクラウドファンディング実施し財源とします。
北海製罐第3倉庫 小樽のシンボルになっています。
○教育子育て関係
・小中学校で一人一台配備されたタブレット活用のために支援員配置やモデル校にデジタル教科書整備
・就学援助費にPTA会費を追加。
○公共施設再編では市民会館については当分建て替えず大規模改修で対応。
市役所から見る市民会館 木々に囲まれ風格も感じさせます。
などです。
私なりのピックアップなので多少他の皆さんとはあげる事業が違うかもしれません。お許しください。
この後の議会で補強する点不明な点などをしっかり論議していきたいと思います。議会と市長は2元代表制のもと、是々非々で言うべきことは言っていくのが市民への務めとお考えます。
続けては
市民生活に大きく関わる一般会計562.4億円についてもう少し詳しく見てみます。
関心のある方は続けてどうぞご覧ください。
③ 入ってくるお金(歳入)、使い道(歳出)について
主な歳入
○市税 135.0億円(対前年度当初予算比 ▲3.1億円)
市民税(個人、法人)、固定資産税など
○地方交付税 145.4億円(対前年度当初予算比 ▲5.0億円)
国税として国が徴収したお金を、地方公共団体に再配分されたもの。
使い道は市が自由に決められる。
○国 ・ 道 支 出 金 150.2億円(対前年度当初予算比 ▲0.6億円)
国や道が使い道を決めて市に交付するお金。国庫支出金として生活保護費負担金、橋の修理費などにあてられる
○市債 25.3億円(対前年度当初予算比 ▲15.5億円)
長期の借入金、借金である。防災対策、港湾事業、消防庁舎建設、小中学校整備などに使う 。
○財政調整基金等からの繰入 9.8億円(対前年度当初予算比 ▲5.7億円)
財源不足を穴埋め分
歳出 562.4億円のうち主なもの
○扶 助 費 170.4億円 (対前年度当初予算比 ▲5.5億円)
社会保障制度の一環として、生活金困窮者、要援護高齢者、障害者などの生活維持などに支出される経費で生保扶助費、訓練等給付費、介護給付費児童手当などに使われる。
○人 件 費 92.7億円 (対前年度当初予算比 ▲2.0億円)
市職員の給与や退職金、議員や委員の報酬などの経費
○公 債 費 52.5億円 (対前年度当初予算比 +3.3億円)
市の借金(市債)の返済費
○負担金補助及び交付金 48.6億円 (対前年度当初予算比 ▲1.1億円)
市が団体などに対して交付する補助金、他団体と共同して事業を行うための負担金ふれあいパス事業費、生活バス路線運行費補助金、鉄道駅バリアフリー化設備等整備事業費など
○建設事業費 30.6億円 (対前年度比 ▲13.2億円)
防災行政無線整備事業、校内通信ネットワーク整備事業費(小・中)、 旧日本郵船(株)小樽支店保存修理工事費、屋内運動場大規模改造事業費(長橋小)、(仮称)消防署手宮支署建設事業費など
その他、企業会計の市立小樽病院などへの繰出金などがあります。
さらに詳しくは市のホームページをご覧ください。
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