一般質問 主な質問と答弁②歴史文化関係 ― 2021/03/10 21:21
歴史文化関係について
何と言っても今回の質問で明らかになったのは小樽市が申請、認定に至らなかった「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽~「民の力」で創られ蘇った北の商都~」について、起死回生、再チャレンジすることが市から示されたことです。これまでこの申請案を練ってこられた関係者の思いが何とか報われることを願います。しかし、今のままではだめですので、いかに改善するかが問われますので、その方向性なども問いました。
また、その他無形の登録文化財や北海製罐第3倉庫の保全活用についての動きや市の文化行政と国の制度活用の進展についてなどもお聞きしていますので、お読みいただければ幸いです。
(1)日本遺産「候補地域」の新設について
質問 ①文化庁は「日本遺産」認定について、評価して効果が低調と判断した事例は認定を外す一方、新規認定を目指す地域を「候補地域」とする制度を設け、取り消された遺産と入れ替える形で日本遺産にするとのこと。小樽市が申請、認定に至らなかった「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽~「民の力」で創られ蘇った北の商都~」にとってまさに千載一遇のチャンス!市として日本遺産認定に向け、再チャレンジすべきと考えますがいかがですか。
市長答弁本年1月12日に小樽市日本遺産推進協議会を開催し、「候補地域」の申請について意思決定をし、北海道教育庁を通じて申請意向表明を行っている。
現在、同協議会に設置をしている二つのワーキンググループにおいて、申請に必要な準備を進めており、3月中旬の期日までに申請できるよう取り組んでいく。
再質問①日本遺産の候補地域に申請するを決意を示してもらったが、つい先日選定された、北海道の心臓と呼ばれたまち・小樽 を広く情報発信に活用するためのロゴマークも選定されております。こういう活動を続けているということが、候補地域選定には関わってくることなのかどうか。
答弁その基準、総括評価の基準の中に地域の文化に誇りを感じる住民の割合や、日本遺産の認知度という設定指標があり、今回のロゴマークの市民投票に対する取組がその実績値を高めることにつながるので、候補地域の選定に対して、良い影響が与えられるものと期待しています。
市民投票により選ばれたロゴマークは、小樽市内の企画制作会社に所属しているデザイナーの後藤真千子さん(江別市在住)のデザインです。
再質問②候補地域認定にむけてと認定後の評価について、日本遺産の審査委員長である、國學院大學の下村彰男先生のご講演は参考になる部分があったと思うがどうか。
答弁下村先生からは、個々の遺産の生かし方として、点ではなくて面として活用や、発信することが重要性、そういった中で歴史的な文化資源の保存は、しっかり活用されて、その活用がその資金を生んで、またそれが保存につながるというような循環という考え方が示され、地域活性化の標準計画を作成する上で大いに参考になった。
(2) 登録文化財について
質問① 以前の質問で、市で文化財指定や登録を目指すとのことであったが、現在の進行状況について示してください。
教育長答弁市指定の文化財については、小樽市文化財審議会において、優先的に指定すべき文化遺産を選出してもらい、指定に向けて、調査を依頼しているところで、2021年度中の指定に向けて、取り組んでまいりたい。 なお、国の登録有形文化財制度の活用については、所有者との事前協議を進めている建造物があるため、今後、市から文化庁に調査を依頼する予定です。
質問② 国の無形文化財登録制度についての情報と、市としてこうした制度を活用していくお考えはあるのか聞きたい。
教育長答弁この制度は、地域の祭りや民俗芸能、郷土料理などを保護するため、「指定制度」よりも基準が緩やかな「登録制度」を創設し、地方の創意により積極的な保存活用が図られるよう求められているものと把握しています。 今後、具体的な内容が示されたら、小樽市文化財審議会や関係団体などに、周知を図るとともに、意見交換を行ってみたい。
(3)北海製罐第3倉庫について
道路側から見た第3倉庫です。ネットを全体にかけて壁があちるのを防いでいる状態です。
質問① 解体を検討されている小樽運河のシンボル「北海製罐第三倉庫」の保存・活用策を考える民間組織「第3倉庫活用ミーティング」が発足したとお聞きしました。秋までに策をまとめ小樽市に提案するとのことです。この民間組織に市として資金面以外にどのようにかかわるのか。
市長答弁同倉庫の利活用に当たっては、土地や建物の利用規制があるので、その内容も含めて議論をしていただくため、職員3名がアドバイザーとして参加をしている。なお、同倉庫は、今後の小樽の観光戦略にとって、重要な北運河地区にあるシンボル的な建造物であるため、同ミーティングとは十分に連携を図ってまいりたい。
質問②「第3倉庫活用ミーティング」の活動内容について、親会社のホッカンホールディングスに回答する今秋までのスケジュール、ロードマップをお示しください。
市長答弁学識経験者や、商工会議所、観光協会などからの代表メンバーによる毎月の議論のほか、一般市民の方を対象にしたオープン勉強会を3月に、また、フォーラムを7月に開催し、本年9月を目途に保全・活用
プランとして取りまとめて市へ提案とのこと。 市しては、頂いたプランを参考とし、この秋に ホッカンホールディングス株式会社に対し、方向性をお示しし、協議をしてまいりたい。
質問③市民意識醸成の取組は考えているか。また、そうした取り組みへの若い世代 への参加の促しや、若い世代が行う同倉庫の保全・活用に向けた、主体的な活動へのサポートは考えているか。
市長答弁「第3倉庫 活用ミーティング」において、先ほど御答弁いたしました、 オープン勉強会やフォーラムの開催を予定していると聞いているので、開催の告知について、市としてもSNS等の活用など、若い世代への拡散を意識しながら協力をしていきたい。また、若い世代の主体的な活動のサポートは、検討をしていきたい。
(4) 歴史文化を生かしたまちづくりについて
質問本市が抱える歴史文化に関わる課題について、個別バラバラに進められていて、市の具体的将来像が見えてきません。その一方で日々市内の石造倉庫などが解体されている危機的現状があります。「小樽文化遺産」を基盤にしたまちづくり推進計画的なものが必要。その核になるのは、国の制度である歴史まちづくり法などを活用していくことであるが、庁内作業の進展について示せ。
市長答弁現在、「歴史を活かしたまちづくり庁内検討会議」において、国の制度の活用に向けて取り組んでいます。「歴史まちづくり法」については、国土交通省の助言を受けながら、法に基づく「歴史的風致維持向上計画」の策定に必要な諸条件の整理と、重点的に保全を図る区域の設定等について、庁内で議論中。また、「伝統的建造物群保存地区制度」活用は核となる建造物の国の指定や登録について、文化庁と協議中です。
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