小樽市決算より ② 子どもひとり当たりの教育費2021/10/15 12:56

 児童生徒1人当たりの教育費について

 例えば他市と比較して小樽市はどの程度教育に力を入れているのだろう。と思いますよね。市としては他市の数字をあまり言いたがらない(失礼に当たる?)とともに、昨年度はコロナ禍の影響で様々な要素が入り組んでしまっているのでわかりづらくなっているのですが、お聞きしてみました。まず、

 

例年この質問で市民一人当たりの教育費についてお聞きしている。

2020年度は38628円 道内10市中10位  

10市平均は 58215


ところが、この数字は市ごとに建設費や給与費、社会教育費などで条件が違うので単純に比較はできないとのこと。

そこで、学校教育にかかる費用で各市のそういう特徴的な経費を除いて共通的な部分、市のホームページ等で公表されている数値を基に学校建設費などを除いた学校教育の共通の費用を用いて児童生徒1人当たりの教育費で試算してみること可能ということで、その数値をお聞きすることができ、結果、他市の数値は聞けなかったが、結果、他市と比べかならずしも低くはないとのことでした。

 

②昨年度の学校建設費などを除いた学校教育の共通の費用を用いての児童生徒1人当たりの教育費を示してください。(小中別に)

答弁小学校では約240,000円 中学校約277,000円となっております

 

③本市の一昨年度のその額も示していただき、本市での児童生徒一人当たりの教育費の増減比較をお願いします。その要因などの分析はありますか。

答弁先ほどと同じ条件で令和元年度小学校で約120000  中学校では約138,000

これを比較しますと令和2年度で小学校では約120000円の増加、中学校では約139000円の増加となっています。 

また、この増加となった要因については先ほどの答弁の通り、GIGAスクール関連と臨時交付金等が含まれているものが原因と考えられます

 

GIGAスクール関係、臨時交付金等を除いて例年との比較はどうでしょうか。

  

答弁令和2年度では小学校で約130,000円、中学校で約149,000円となっておりますので、小学校では約10,000円の増、中学校では約11,000円の増となっております。


ここまでの金額を表にまとめると下のようになります。

                 (佐々木が制作)


2018年から2020年まで見ると年々増加していることがわかる。

これは以前にもお答えがあったと思うが、小樽市は子どもの数は減っているからといって一律機械的に教育費を減らしている訳ではない。必要な教育費を維持している。そういうことですか。

答弁教育費は減らしておらず必要な教育費を維持しているという風に考えております

 

⑥一方、他市に比べても子ども一人当たりの教育費は必ずしも低くはないという見解に変わりはないか。

答弁他市との学校の整備状況の違いというのもありますが、主要10市で調べられる範囲で得た数字からみまして必ずしも本市の子供は1人あたりの教育費が低いとは考えておりません。

 

⑦迫市長公約にもある「次世代をはぐくむまち」実現のために小樽市は教育に力を入れていることを財政的に示す事も必要。その意味では着々と進めていることがわかります。

 ただ、現実には以前も指摘しましたが、学校現場ではなかなかその効果が未だ見えないてきていない。この間の教育費増でいわばようやく周回遅れが追い付いてきた印象を私は持っている。市教委としてはどのように把握していますか。


答弁委員のおっしゃるとおりこの整備の状況というのは過去にそういう状況もありましてそれの解消に向けて予算をつけていただいている状況です。現状においても学校司書の配置についてはまだまだ不足しているのではないか。学校図書館の蔵書の整備もこちらとしてはまだ必要ではあると考えております。

トイレ改修も同じです。他都市と比べて十分でない部分も整備としてはありますので、予算編成の中で引き続き市長部局と協議して参りたい。

 

 

今年度になってからもコロナ禍の影響で教育関係にも多くの財政的投入がなされているので、一見、決算の数値だけでは教育費が大幅増額されているかのよう。その実態について、今日伺いその一端を知ることができました。

教育費の例年恒常的にかかる経費は変わらない。市の厳しい財政状況は理解していますが、今後も教育予算の確保をお願いして質問を終えました。


小樽市決算 教育費の不用額について2021/10/15 12:13

 10月5日から8日まで開かれた小樽市議会の決算特別委員会での私の質問と市教委の答弁をまとめてみましたので、ご覧ください。

1.教育費の不用額について

今回、令和2年度決算が示されましたが、必要な予算が措置される事はもちろんですが、教育費の予算は次代を担う子供たちに必要な知識や経験をしっかり学んでいただくための予算であり、効果的に執行される事が望ましいものと考えています。そこで予算がどのように使われたかが重要です。予算の通り使われずに残ったお金を不用額(不要額ではない!)と言います。一見せっかくついた予算を余すなんてもったいないと思いますよね。そこで聞いています。


①まずは令和2年度教育費の決算について、予算現額と支出済額をお答えください。

教育総務課長答弁予算現額37円 決算額33億円  翌年度繰越額14000万


②次に、不用額はいくらになっているのか、お答えください。

教育総務課長答弁先ほどお答えいたしました数字からさらに翌年度に繰り越しなった金額こちらが14000万円ございますのでこれを差し引いたものが不用額ということで 26000万円です。

前年度よりも7500万円も増加しています!


③次に、不用額の主なものと、その額について幾つか示してください。

 

校舎等耐震補強等事業費潮見台中           3600


就学援助費1600、中1700                3300

•小中学校の燃料・光熱水費(小1500、中1700    3200万


・トイレ改修事業費(中学校)                  1100万


•教育情報化推進事業費(小3,282、中7,089)1000万円 など


(主に工事の際の入札差金、コロナで休校等による燃料光熱水費の減によるとのこと)


④例年に比べて不用額が多いと思うが、その辺りはどう分析しているのか。

答弁令和元年度令和2年度分、それぞれ予算減額に対する執行率を計算したところ、それぞれ89.1%ということで、双方ともに同じ水準になっております。特に令和2年のつきましてはGIGAスクールに関する事業費やコロナ感染対策の関連予算案で予算規模が例年よりも大きく、不用額もそれに伴って大きく見えているということで例年に変わらないという分析です。


以前、私は財政部に「小樽市の財政は厳しいから予算を残せば残すほど(不用額が多いほど)いいと考えているのか。」と聞いたことがあります。

それに対して財政部は、

「不用額が多ければ多いほど良いと考えている訳ではなく、あくまでも事業を執行している中で最少の費用で最大の効果を得ようとして結果として生じているもの。効率的な執行により不用額が生じる事は結果として有り得る事だ」とのことでした。あくまでも余すことが目的ではないのだから、そのために市民サービスの質を落とすことがあってはならない、という意味ですね。


⑦市教委としては、現場には支出を切り詰めることが目標ではなく、あくまでも効率的な執行の結果であることを理解したうえで、使うべきところにはしっかり使って教育の最大効果を発揮できるよう様に各学校に配慮いただきたい。

教育総務課長教育総務課長

教育委員会としてはこれまでと同様に、引き続き適正な執行に努めていただくよう各学校に伝えてまいりたいと考えております。

 という答弁でした。

 

教育の最大の効果を上げることが何より適正な執行だと私は理解しました。学校現場での教職員のみなさんの引き続きの頑張りに期待大です。




市役所本庁舎、総合体育館・プール建設試案を示す2021/09/30 20:02


小樽市はこの度の定例市議会公共施設再編特別委員会で、建て替え方針の市役所庁舎と総合体育館・プールの建設試案を3案ずつ示しました。


 以前に撮影した総合体育館 消防団の訓練の時ですね。


今日はその内、総合体育館・プールの建設試案について、図解したいと思います。

市はこれまで老朽化の進む総合体育館といったん廃止され、多くの市民から要望されていた市民プールの建設について、併設で建設すること。場所は旧緑小学校跡とすることとし、その試案を3案示しました。



 案 体育館現状維持+プール充実

体育館がメインアリーナ3面の現状維持、プールは25m 7レーン、歩行用や児童用プール観客席などを設けて延床面積11,135㎡ 建設費約63億円。

 


 案 体育館削減(アリーナ1面)+プール現状維持型

体育館はメインアリーナ2面、サブアリーナ1面。プールは25m 5レーン、歩行用や児童用プールはあるが観客席、体育室など一部施設を削減。延床面積10,265㎡ 建設費約58億円。

 


 案 体育館削減(アリーナ1面・体育室1室)+プール削減型

体育館はメインアリーナ2面、サブアリーナ1面。プールは25m 5レーン、児童用プールはあるが、歩行用プールや観客席、体育室などの施設を削減。延床面積9,528㎡ 建設費約53億円

 

 

市は試算や利用団体の意見なども踏まえ、総合的に判断した上で12月議会で整備時期や事業費、整備の優先順位を盛り込んだ長寿命化計画案を示し、合意が得られれば、先へ進め、竣工まではおよそ7年から9年かかるとされています。何より厳しい本市財政状況の中で、いかに市民サービス向上につながる施設を建設するのかということですね。

3案それぞれにメリット・デメリットがあります。みなさんもご一緒に考え、ご意見をいただければと思います。


 尚、ここに描いた図は、市から示された実際の縮尺やレイアウトを私なりに解釈した略図ですので、ご了解ください。また、1階の図だけで2階図は省略しました。

 



市役所本庁舎の建て替え3試案2021/09/28 20:53

小樽市はこの定例市議会公共施設再編特別委員会で、建て替え方針の市役所庁舎と総合体育館・プールの建設試案を3案ずつ示しました。

 

市庁舎は現敷地での建て替えで、3案を私なりに下図のようにまとめてみました。ご覧ください。保健所と水道局との統合をどうするかで建設費は60億~94億円超と試算しています。

また、本館は市指定歴史的建造物ですので、将来的に耐震補強を行う方針の上、「議会棟」として使用するとしています。

 

ご覧の通りの私が描いたラフなイメージ図ですので、省略等はお許しください。


市は試算や利用団体の意見なども踏まえ、総合的に判断した上で12月議会で整備時期や事業費、整備の優先順位を盛り込んだ長寿命化計画案を示し、合意が得られれば、先へ進め、竣工まではおよそ7年から9年かかるとされています。何より厳しい本市財政状況の中で、いかに市民サービス向上につながる施設を建設するのかということです。


どちらの3案もそれぞれにメリット・デメリットがあります。みなさんもご一緒に考え、ご意見をいただければと思います。



小樽「北海道の心臓」日本遺産候補地域に認定2021/07/17 11:49


 7月16日、文化庁からの発表で、「日本遺産」として認定する候補となり得る地域として2月に募集を行った「候補地域」については、20件の申請があり、「日本遺産審査・評価委員会」における審議を経て3件を認定。その中の1件に本市単独で申請した北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽~「民の力」で創られ蘇った北の商都が入りました。20件中3件という狭き門を突破したことに、まずは関係者の皆様のご努力に敬意を表します。


「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽~「民の力」で創られ蘇った北の商都~」についてはこれまでも日本遺産に申請しながら認定に至らなかった悔しい経緯があります。今年の第1回市議会で私は今回の「候補地域」の制度が文化庁において作られたので、市は再度チャレンジすべきと提案し、結果、起死回生、再チャレンジすることが市から示されました。そして、関係者の皆様がこのストーリーを再度練り直し、て出された結果が、今回の嬉しい結果につながったことは本当に素晴らしいことです。ただ、本認定ではありません。これからが実は大変だと思います。その辺のところを含めて、今回の「候補地域」という制度や今後の取り組みについて1定での私の質問とその答弁を再掲し、皆様のご理解の一助としていただきたいと思います。



A1.≪北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽 ~「民の 力 」で創られ 蘇 った北の商都~≫ 

かつて小林多喜二は,明治以降に,港と鉄道の大動脈により発展していく小樽を北海道の『心臓』と表しました。北日本随一の商都に発展した小樽は,未来を夢見た人々や財を成した資本家の「民の力」でまちをつくりあげてきました。

高度経済成長期に衰退する小樽に,荒廃した運河を埋め立てて道路にする計画がつくられます。 失われていく「まちの記憶」を守るために新たに動き出す「民の力」。「小樽運河保存運動」を契機に歴史的遺産をまちづくり観光に活用・再生につなげ,日本のまちづくり運動の先駆けとなった小樽市民の物語です。

  構成文化財の北海製罐第3倉庫から見る小樽運河。


Q2.日本遺産候補地域が新設された経緯は

A2.「候補地域」が新設された経緯については、日本遺産認定地域の取組状況等を審議する日本遺産フォローアップ委員会の中で、これまで認定された地域の取組に温度差があるなどの課題が見受けられることから、日本遺産全体の底上げを図る新たな方策の一つとして、「候補地域」の新設について取りまとめられた。文化庁としては、これを踏まえて日本遺産を認定する候補となり得る地域を本年2月9日付けで新たに募集した。また、地域の不断の努力を促す仕組みを構築することなどを目的として、取消し制度の導入などについて示されています。

 

Q3. 「候補地域」から日本遺産の認定を受けるための重要なポイントを説明せよ。

A3.3年間の地域活性化準備計画終了後に日本遺産フォローアップ委員会の総括評価を受けることになっている。 総括評価には計画目標達成評価と取組内容評価がありますので、地域活性化準備計画に登載した事業を着実に実施をし、高い評価を受けることが重要になるものと考えております。

 

同じく構成文化財の旧北海道拓殖銀行小樽支店(現似鳥美術館)

以上のように、現在日本遺産に認定されている地域が取り消されて所に入ることになります。よってこれからの3年間でそれに値するだけの活動や事業、何より地元の市民の盛り上がりが評価されることになるのです。

現在、小樽市では幸いなことに二つの日本遺産にも認定され、北海製罐第3倉庫の保存活用問題、色内旧銀行街を中心にした歴史まちづくり等々、歴史文化についての論議や動きが活発化しています。こうした中で3年間市が中心となり、日本遺産単独認定を勝ち取る動きを作っていって欲しいと思いますし、市民の活動も伝統の「民の力」を十分発揮してその流れを協働で作っていきたいところです。