北電「泊原子力発電所に関する地域説明会」2016/07/28 22:56

 北海道電力が開催した 小樽での「泊発電所の安全対策等に関する地域説明会」に参加してきました。市内で開かれた説明会は4回でしたが、その最終日になります。会場には50名ほどの熱心な参加者が見えられていました。

 会場の様子 しっかり勉強された質問が続出。時間を大幅に超えました。

 北電側からは
1.原発のしくみ
2.福島第1原発事故の概要と新規性基準
3.泊原発の新規性基準適合審査の対応状況
4.泊原発における安全対策
  (1)自然現象への対策
  (2)電源確保対策、炉心等冷却対策
5.さらなる安全性の向上をめざして
 等について、駆け足での説明がありました。
 内容は、要約すると「先の事故を踏まえ新規性基準適合審査にも合格できる予定、さらにそれを上回る万全の安全性を確保している。よってできるだけ早い時期に再稼働させたい。」というものだったと思います。
 
 それに対して出席者からは
・使用済み核燃料保管の空きスペースは何年間分か。
 〜今後も六ヶ所村の再処理施設に持って行けないとあと15年。 
   しかしもう少しで動くから大丈夫。
・防潮堤が壊れた、津波が乗り越えた場合の対応は。
 〜乗り越える確率は1万〜から100万分の1の確率。それでも建屋には水密扉があるので、大丈夫。
・免震重要棟が説明に出てこないのはなぜか。免震を辞めるのか。お金の節約か。
 〜新規性基準では免震でなくても良くなっている。絶えられればいい。
・安全対策にかかった費用と電気料金への反映は。
 〜2500億円+α。当然電気料金に入ってくる、現在40億円をいれている。
・3号機のプルサーマル発電の説明がない。MOX燃料、プルトニウムの危険性についての認識は。
 〜震災前にプルサーマル発電の認可はとっていたが、震災後MOX燃料ができていないので、まずは再稼働が先である。
  プルトニウムの危険性は認識している。安全に原子炉を止められるし、気体発生にも対応している。
・なぜここまでして原発をやる必要があるのか。3号機でさえあと30年しか使えないではないか。国策だからか。
 〜地球温暖化,二酸化炭素対策。火力、水力とともにバランスよく使う必要性。資源のない日本ではひとつの選択肢を捨てられない。
・万が一の事故の場合、誰が責任をとるのか。お金のこと以外で答えて。
 〜責任は会社にある。

 等々、皆さんから原発再稼働やそもそも原子力発電そのものに対する不安や不信の声が多く上がっていました。北電側の答えは冷静に示されていましたが、まずは「再稼働しなくてはならない!」という強い意志を感じるものでした。
 安全対策を莫大な資金をかけて(それも私たちの電力料金から)何重にしても、絶対安全なんかはないということは福島の事故で証明されています。事故を起こさないためには原発を動かさないことしかないというお声に私も賛成です。
 また、使用済み核燃料は六ヶ所村の再処理施設に運んで再利用するから大丈夫、という説明は再処理技術が全く機能していないことから破綻は見え見えです。このまま核のゴミが地域ごとにあふれることになるのは時間の問題です。これ以上ゴミを増やさないのが当たり前です。
 さらに、万が一の自己の責任は会社にあるとのことですが、東京電力が自己の責任をとっているでしょうか。
 
 この説明会、他の会場の様子はわかりませんが、(報道もされませんねえ)道の高橋知事と北電が示し合わせて再稼働のための地ならし、アリバイ作りのために行われた印象が強いものでした。

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