先生方の長時間労働 緊急シンポ2017/08/25 22:31

STOP!教職委の長時間労働!!緊急シンポジウム

 

今、現場の小中学校先生方の超過勤務、働き過ぎがようやく話題に取り上げられるようになって、政府も教職員の長時間労働解消のための方策に重い腰を上げてきているところです。

この機により広くこの問題に関心を持ってもらおうと連合北海道と北海道教職員組合が主催する「子どもたちと学校にゆとりを STOP! 教職委の長時間労働!! 緊急シンポジウム」が札幌で開かれました。

私も元中学校教員としてその働き過ぎ、長時間労働の実態を身をもって知っていますので、大いに関心をもって、お話を聞かせてもらいました。

内田准教授の講演。「ブラック部活」などの著書があります。


第1部の基調講演では名古屋大学準教授の内田良さんのお話です。部活で中学校の先生方が疲弊している実態などをネットや新聞等で活発に発信をされている先生で、金髪をなびかせながら優しい語り口で鋭い指摘をくりだす印象的な方です。お話の私なりの捉えをまとめると、

・現状として公立の小学校教員の33.5%、中学校教員の57.7%が過労死ラインの月80時間以上の時間外勤務を行っている。

・日本の教員の労働時間はOECD加盟国中最長。

・それなのに教員は出退勤時間が記録されず何時間働いているか誰も知らない。

・その原因は特例法でどれだけ働いても教職特別額月額4%加算と決められているから。

 (月給30万円として4%で12000円、80時間で割ると時給150円!!)

・中学校では部活動の影響が大きい。先生方は負担に感じる一方、「部活が生きがい」の先生もいる。(私も実はそうだった)また、「子供のため」「先生は聖職」意識が根強い。

・中学校はわかりやすい構造だが、小学校にいかに光を当てるか。

・しかし、まずは先生も労働者。労働基準本に守られるべき存在であること。先生が元気じゃないと子どもに向き合えない。自由な発想オリジナリティは元気から生まれる。

・抜本的な解決策は教員定員増で持ち時数を減らすことである。(大賛成!!)

・今、市民や若者がこの問題に理解を示している。このタイミングを逃さず訴えることが重要!

等です。ほんとうにわかりやすい言葉で現状と今後に向けてを解説いただきました。

 

パネラーのみなさん。多くの話題に真剣に答えてくれました。


続いて、パネルディスカッション。パネラーに内田先生をはじめ、現職小学校の先生、保護者の方、労働問題に詳しい弁護士さんを迎え、司会は道新記者の宇佐美氏で進められました。

小学校の永富先生からは現在の先生方の勤務の状況説明があり、特に家庭との両立などに大変であることや昔に比べて子どもたちと休み時間等に一緒に遊ぶ時間や余裕が激減したことなどが報告されました。

また、夏休み等を使って幅広い視野で興味関心をもって自由な研修を行うことの大切さも訴えておられました。私も同じ意識で長期休暇を使っていたので、現状は官製の研究会でなければ認められない流れに違和感を持っています。

やはり教員は好奇心を持っていろいろな事を吸収する感性が必要ですし、それを支える環境が必要ですよね。時間と心の余裕というのでしょうか。それとは正反対の方向に教員を追い込んでいるようにしか見えません。


後藤弁護士からはまず学校にタイムカードを導入し、勤務時間を把握する事などを、保護者の鈴木さんからは先生という職業は子どもたちのあこがれだった。元気な先生でいてほしい。ということや、夏休みを短くして1日の学校の時間を短くする対策は親と過ごす大切な時間を奪うことになり子どもや親のためによくない、というお話をしてくれました。

「先生方は夏休みがあっていいねぇ。」などと誤解があって、今まではなかなか理解されなかったのですが、

学校の先生方は本来の仕事である子どもたちと直接向き合うこと以外の日常の膨大な業務に忙殺されています。これは誰にとっても不幸な教育環境です。きちんとした対応を小手先の取り組みに終わらない抜本的な対応を文科省はじめ教育に関わるみなさんとかんがえていく必要があると感じています。


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